カセットデッキ ナカミチCR-70 を修理する(1)
昨年、中学の同期会があって、カセットテープのCD化を頼まれたので、あぁいいよと軽く受けたのですが、自慢の名機、ナカミチCR-70が動作不能になっていました。無理もありません、発売からゆうに30年、ここ10年は電源も入れていませんでした。
ナカミチCR-70は、カセットデッキとしては究極に近いモデルで、CDが全盛になりつつあった当時でも、3ヘッドでモニタすると、入力と出力の音が人間の耳では全く区別出来ないくらいの録音再生力を有しています。20歳そこそこの頃に、24万円もした当機をローンで買いました。高校の頃からナカミチはあこがれでしたから、就職して少ない給料でも自分の物になったのは本当に嬉しかったです。
こんなサイトもありました。
ナカミチは、かのドルビー研究所とともにドルビーB、Cのノイズリダクションの開発を行った日本でも有数の高級オーディオメーカーですが、残念ながら当時のような経営は継続出来ておらず、旧機種の修理は旧社員が個人的に細々と行っているのみになっています。それも年数が経ち、HPを見てもまだやっているのかわからない状況です。
私はブラスバンドを長くやっている関係で、過去の演奏のテープが山のようにあります。オーディオ系の再生機器は一通り揃っており、いつでもデジタル化は可能と思っていましたが、メインのカセットデッキがこの状況では非常にヤバいです。
このようなサイトに機械を送って修理を依頼するのも手なのですが、まずは自分で状況を押さえてみようと内部をバラしてみました。
障害は、「テープが走行しない」というもので、電源を入れて、テープ一本分は問題無く動くのですが、2本目をセットすると全く動作しなくなります。
(最近のオーディオのようにスカスカと言うことはありません。すごいケーブルまわし笑)
一度開けて、動作させてみると問題無く動くので、それではと1本目のテープをPCにデジタル録音したあと、B面にすると全く動作しません。CR-70はデュアルキャプスタンですが、ヘッド後方のサプライ側キャプスタンとテイクアップ側のダイレクトドライブモーターを繋いでいるゴムベルトがヤバそうな雰囲気だったので、そこをもう一度見直します。
(カセットデッキのメカについては詳しいサイトがありました。)
やはり、テープが走行しない状態だと、サプライ側のフライホイールが回りません。サプライ側のキャプスタンを手で回してやると、しばらくの間はテープが走行します。
ゴムが緩んで、テンション緩んでいるので、ホイールの中心にゴムベルトが来ないことがあり、長時間走行させると摩擦熱(?)でよけい状況が悪くなるのではないでしょうか。実際、十分に冷却させるとまたプレイ可能になります。
ということは、このゴムベルトを適切な物に交換出来れば、CR-70は蘇るのでしょうか。
レガシーオーディオの修理は、そこそこ需要があるのか、いくつかの通販サイトを発見しました。
http://megascoop.com/shop/belt_shop.html
http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/search.php?cid=3623
上の方はドイツから郵送(!?)だそうなのですが、下の千石電商は秋葉原なので、そちらで入手してみます。まずは長さを測らねばなりませんが、少し不安なのは、キャプスタンの平行性は非常にシビアなものですから、当時の技術で、メカの精度だけでクリア出来ていたとは思えません。バラす過程で、調整機構があった場合お手上げなので、その場合は修理してくれるところにお願いするつもりです。